テキトーエレガンス

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非モテ人生からの大逆転!映画【好きにならずにはいられない】はピュアな心に揺さぶりをかける


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ハリウッド映画だけじゃなく邦画や海外のマイナー映画も充実。

マイナー映画ソムリエのBlissも今回はさらにアンニュイな映画、

2012年アイスランド制作の「好きにならずにはいられない」を観ました。

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でもねー。

これはねー、かなりマイナーだと思う。

もう映画ポスターが強烈。おデブで薄毛のおっさんが仏頂面でミルク持ってるポスターなんて

まずオシャレなお姉さん達の目には留らないと思うし、(目に留まっても見なかったことにするはず)

サブカルや前衛芸術が好きな人でもちょっとな・・と思うインパクト。

そのおっさんこと、主人公の43歳非モテ男性の「FUSI(フーシ)」なんですけどね。

(そもそも原題が「FUSI(フーシ)」なんですが、どうしてこうやたら理屈っぽい邦題になるんでしょうかね・・)

以下ネタバレありの感想を。

43歳デブでヲタク。童貞。

アイスランドの寒空の下、お母さんと住むフーシ。

勤め先の空港と家を行き来する毎日をずっと送っているんだろうと、

背景が透けて見えそうなほど退屈な毎日。

結婚もせず家にいる齢40を越えた息子を見るお母さんの表情が、

あきらめを通り越してもう何かやるせない感じ。

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▲夕方?いえ、朝です。暗いって。
声をかけるのもはばかれるほどの哀愁が漂っている。

わざとなんだろうけど、冒頭なんて白黒映画かっていうほど色彩感に乏しい。

グレイッシュなマンションに鉛色の空、電気もろくすっぽ照らしていない、

緑の乏しい街路樹に冷たいステンレスとカーゴの溢れる職場・・・

どいつもコイツも暗いよ!暗えよ!もっと色を!!と言いたくなる陰鬱っぷり。

悪意さえ感じる色味のなさ。

まさにフーシの生き様を表しているかのように色気のない世界で、

フーシが没頭するのはジオラマ作り(しかも第二次世界大戦関連モノ)と、

帰りの車の中でラジオ局へリクエストを送ること(しかもいつもメタル)。

もうね。先が見えてしまうよね。

バツイチのBlissにもこれは笑えないぜ・・。

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▲毎日のように目の前を行き来する飛行機を眺めてるけど、
一度も乗ったことない。

日本でも結婚率がダダ下がりし生涯未婚でいることが珍しくない今、

どこか遠い国の話とも言えないシンパシーを感じてしまう。

ターニングポイントは突然やってくる

日本では成人していても実家暮らしをするのはありふれているけれど、海外って自立にすごいシビアなところがあって、

「43歳独身実家暮らし」な時点でもう変質者扱いされたりするので、

そりゃもう、お母さんもフーシも相当風当たり強いと思う。

フーシは悲惨なイジメに遭ったりとか何かと前途多難で、

しっかりしろよフーシ!と言いたくなるけど

本人は至ってマイペースでいつも夢見がちで上の空な感じなのは幸か不幸か。

ところがそんな灰色な毎日がある日激変します。

そう、素敵な女性が現れた。

しかも唐突に降ってきた。

シェヴンというキュートな女性はちょっと不安定なところがあって、

作中では明言はしていないけど、どうやら躁鬱そううつ(双極性障害)ぎみの様子で、

一旦鬱状態になるとピュアなフーシを振り回す、振り回す。

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▲恋愛下手な二人は少しずつ距離を縮めていく。
オトナの恋愛っていいなあ。

「躁鬱」というシェヴンの病の性質上、仕方のないことなんだけど振り回し方が独特で、

ただでさえ恋愛偏差値ゼロのフーシには難易度高めで、

駆け引きとかムズカシイことは止めてあげて〜!と同情してしまうほどヒドい。

恋愛なんて惚れたモン負けなところはあるのかもしれないけど、

そんなピリピリとしたやり取りの中でフーシは優しい心は一層際立つ。

引きこもったシェヴンの前に、食べてくれるかも分からないけど温かいブレックファーストを置きつづける

フーシの一面にグッとくるな。

他にもシェヴンを黙々と支える姿勢に女性なら「こんなことされたら惚れてまうやろー。」になるはず。

最後のほう、フーシがフッと口元を緩めるシーンがあるんだけど、

確実にフーシはひと皮むけたな!と良いことありそうな予感を思わせる絶妙な微笑みに

心が洗われました。

結論:誰にでも一歩を踏み出す時がくる。踏み出すか踏み出さないか。

あ、良いこと言っちゃった。

でもフシギと心がほっこりする清涼感のある映画でした。

不思議な国アイスランド

アイスランドが舞台なんだけど、名前からして寒そう、

と勝手な偏見があって気候的には北海道の宗谷岬あたりをイメージしていたんだけど、

イメージに反して全然寒くないらしい。(といっても冬はマイナス3度ぐらいらしいけど)

しかし、体感としてはもっと寒そうだけど、

まさか札幌より暖かいとは・・宗谷岬の方がよっぽど寒いとは・・!

※ちなみにカナダの冬期にマイナス30度を経験したことがありますが

しばれる」という言葉があるように、気温ってマイナスになるとピリピリ痛いんだと知りました。

それは眉毛や服が凍り始めているせいだと後になって知った時はゾッとしましたけどね(笑)

この映画でアイスランドを知るまでは、グリーンランドとごちゃまぜになったりノルウェーとあの辺の国との位置関係が良く分からなかった。

アイスランドは日本人には馴染みのない国かもしれないが、

個性派アーティストのあのBjork(ビョーク)の出身国といったら分かるかな、

あ、余計分からないですね。

最後のエンドロールで出てくる名前がみんな似たような名前だということに気づいて、

巻き戻してみたらやっぱり、ほとんどの人の名字の末尾が一致!!

どういうことかと思って調べてみたらなんと、

アイスランドの伝統として、男性は全員「父親の名の属格+ソン(-son)」

女性は全員「父親の名の属格+ドッティル(-dóttir)」の名字になるという衝撃の事実が判明しました。

エンドロールの名前が全員同じように見えていたわけがここにあったとは・・。

歴史があって火山のある小さな国という意味では日本も同じに思えて親近感を覚えました。

ではでは最後に大好きなBjorkの「JOGA」を。

Joga

Joga

Bjorkもなんともう43歳。

え〜〜、Blissの中では永遠の少女だったのに、そりゃ年取りますよ。

Bjorkは好き嫌いありますが、ハマるとヤバい。

嫌いとかいう奴はアイスランドの氷山のクレバスに落としてやります。

いつも読んで下さってありがとうございます。